青銅器は表面の緻密な緑青錆が内部を守り、数千年前の遺物の形が正確に読み取れる。そういった遺物は多くない。そのために各地の青銅器の技術研究は、その伝播ルートなどの研究にとって重要な遺物である。しかし、鋳造技術は漆器や陶器のように素材の形を完成まで通して加工する技法ではなく、原型から反転する鋳型をつくり、その時点で不要になった原型を工程から捨てる。鋳型に青銅を流し込めば、鋳型は不要になってこれを壊して製品を取り出す。こういった製品の技術研究は目視観察では結論に至ることが難しい。そのために、高精度、高精細の3D計測データを解析して科学的に検証する必要がある。本研究は新たな手法で技法の具体を解明する。