抄録
2014年5月の鳥獣保護法の改正(改正後は鳥獣保護管理法)に関して、筆者は自然保護法の性質を変革するものであると考えている。よって、近年議論されている”自然保護法の「進化」”の一事例としてとりあげ、理念(人間社会における価値付け)および科学(経済的手法、科学的手法および分析的技術的手法等の導入)の経過を検討したうえで、正しい「進化」を遂げているのかについて評価および検討をしたものである。結論としては、正しい「進化」とはいえないと筆者は考えている。その理由として、理念の部分の検討は不十分であり、野生動物の存在意義とその管理の必要性および公益性を踏まえての制度設計が急務である。また科学の導入については、社会科学的手法の導入はなされたものの、自然科学的知見の導入は不十分といわざるをえず、早期の見直しを求めるものである。
本文言語 | 日本 |
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ページ(範囲) | 149-192 |
ジャーナル | 富山大学紀要.富大経済論集 |
巻 | 60(2) |
出版ステータス | 出版済み - 2014/11 |
キーワード
- 鳥獣保護管理法
- 野生鳥獣
- Woldlife
- 管理