軽度と高度認知機能低下のある若年認知症者の就労継続に関する体験と思い 再就職後の就労場面に焦点を当てて

林 浩靖, 竹内 登美子, 新鞍 真理子, 青木 頼子, 牧野 真弓

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術論文査読

抄録

本研究の目的は,軽度と高度の認知機能低下のある若年認知症者2事例の就労継続に関する体験と思いを記述することである。就労支援施設で働く若年認知症者と家族に半構造化面接を行い,参加観察と記録簿からの情報収集も行った。その結果,A氏から【病名を告げたくないという思い】【得意分野を活かす】【さりげないサポートを得ながら働く】【病をもちながらも努力して働ける喜び】【社会制度の充実を望む】の5つの表題が得られ,B氏からは,【夫婦間での会話の少なさ】【認知機能低下による混乱】【つきっきりのサポートを得ながら働く】【黙々と自ら作業する】【仕事に対するひたむきさ】【仲間とともに働く】【仕事の待遇の受け入れ】【記憶障害による誤認】の8つの【表題】が得られた。以上から,軽度の認知症者だけでなく高度認知機能低下状態の者も就労への思いを持ち続け,適切なサポートがあれば就労継続できるという現象を見出すことができた。
本文言語日本
ページ(範囲)97
ページ数104
ジャーナル日本看護研究学会雑誌
39(4)
出版ステータス出版済み - 2016/09

キーワード

  • アルツハイマー病
  • 家族介護者
  • 参加観察
  • 雇用

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