抄録
「フードテック(Food-Tech)」という表現もかなり浸透したと思える昨今である。この語は、「食品業界」における食卓に並ぶまでの生産、栽培、加工等の工程に「テクノロジー」が使われることを指すと考えられる。このフードテックの一翼を占めるのが「細胞農業(セルアグリ)」である。これは生産方法を指すといえ、「細胞培養技術を用いて食料をはじめとする資源をつくる」ものを指す。従来,動物や植物を育てることで行ってきたことを、工業的に行うことで安定・効率化を目指すことが目的となっている本稿では、細胞農業についてその社会的受容度を含めてまとめ(2)、世界における細胞農業による食素材の先進的な規制状況、すなわち動物ではすでに上市している事例(シンガポールの鶏肉:3)があり、植物では上市に近い事例がある(フィンランドのコーヒー:4)ことからこれらへの規制について紹介し、安全性基準(5)および知的財産権(6)について検討および考察を加えるものとする。
本文言語 | 日本 |
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ページ(範囲) | 1 |
ページ数 | 38 |
ジャーナル | 法学ジャーナル(明治学院大学大学院法学研究科) |
巻 | 34 |
出版ステータス | 出版済み - 2023/03/01 |
キーワード
- 細胞農業
- セルアグリ
- フードテック
- ノベルフード
- 代替肉
- 植物肉
- 培養肉