抄録
内側前頭前野は多数の脳領域からの情報を統合しており,その機能の実現のために睡眠中の働きが注目されている。睡眠はrapid eye movement(REM)睡眠とnon-REM(NREM)睡眠に分けられ,それぞれが異なる様式で,様々な脳機能に貢献すると考えられているが,その神経基盤は不明である。
我々は睡眠中のマウスの内側前頭前野をカルシウムイメージング法によって撮影し,各睡眠状態に特徴的な神経活動を解析した。その結果,NREMとREM睡眠中の神経活動特性は有意に異なり,その差異は睡眠状態の切り替わりに鋭敏に反応する細胞集団によって構成されていることが明らかになった。
内側前頭前野のNREMまたはREM特異的な活動特性は長期間保存されるため,これらは回路として組み込まれた機能である可能性が高い。以上の結果は,NREMとREM睡眠の機能的役割の違いが,回路レベルで実現されていることを示唆している。
我々は睡眠中のマウスの内側前頭前野をカルシウムイメージング法によって撮影し,各睡眠状態に特徴的な神経活動を解析した。その結果,NREMとREM睡眠中の神経活動特性は有意に異なり,その差異は睡眠状態の切り替わりに鋭敏に反応する細胞集団によって構成されていることが明らかになった。
内側前頭前野のNREMまたはREM特異的な活動特性は長期間保存されるため,これらは回路として組み込まれた機能である可能性が高い。以上の結果は,NREMとREM睡眠の機能的役割の違いが,回路レベルで実現されていることを示唆している。
本文言語 | 日本 |
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論文番号 | 33 |
ページ(範囲) | 43 |
ページ数 | 49 |
ジャーナル | Toyama medical journal |
DOI | |
出版ステータス | 出版済み - 2023 |