抄録
本稿は,富山大学国際機構教育部門で2018年度後期と2019年度前期に実施した日本人学生向けワークショップ「国際人としてのグローバル日本語―外国人とわかり合うための日本語コミュニケーション―」の報告である。本ワークショップは,上級レベルの日本語能力を有する留学生を対象とした「日本文化」の授業に数回日本人学生が参加し,留学生と対話活動を行い,授業終了後にふり返りを行うという内容である。ワークショップ終了時に実施した学生へのインタビューおよびふり返りでは,対話活動への肯定的評価がほとんどだった。特に日本人学生に「自身の今後のためにも対話力≒グローバル日本語力の成長が必要である」という認識と,「対話の維持・促進には,ホスト社会の母語話者側が言語的文化的配慮をすることが必要である」という気づきが観察され,日本人学生と留学生の対話活動は,日本人学生への教育的意味が強いことが示された。留学生からは,深い話題について日本人と語り合うときの「援助の必要性の認識」と「深い話題を語り合える日本人の友人への希求感」が観察され,留学生対象の「日本文化」,「日本事情」授業にこのような対話活動を組み込むことの有効性が示唆された。
寄稿の翻訳タイトル | A Report of the Workshop to Cultivate “Global Japanese” for Japanese Students and Foreign Students |
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本文言語 | 日本 |
Place of Publication | 日本 |
出版社 | 富山大学国際機構 |
ページ | 27-44 |
ページ数 | 18 |
巻 | 2 |
ISBN(印刷版) | 2434642X |
DOI | |
出版ステータス | 出版済み - 2019/12 |
キーワード
- 日本語教育
- 異文化間コミュニケーション