抄録
太陽光発電事業者は、その事業地の選定に当たり、発電規模が大きくなるほど、事業地となる地方公共団体はその立地を歓迎しない現況がある。それが迷惑施設(忌避施設・嫌悪施設)たる性質も有しているからである。各地方公共団体では、いわゆるメガソーラー抑制条例も増えてきており、FIT 認定を受けた事業者であっても、事業実施に着手できないという行政処分がなされる事例もでてきた。
そこで本稿では、エネルギー関連法(Ⅱ)と、太陽光発電事業(Ⅲ)を概観し、太陽光発電事業者と地方公共団体の間での係争等(Ⅳ)および太陽光発電抑制のための条例等(Ⅴ)を検討し、こうした現況における自治体にとってのあるべき対策と、事業者のあるべき姿勢、および双方が Win-Win となるような制度構築のために国がとるべき対処等について検討し、「公共関与」の必要性を提案する(Ⅵ)。特に、Ⅴ、Ⅵにおいては、主に、太陽光発電施設が持つ発火・火災原因となるという性質から消防法を、迷惑施設という性質から廃掃法を参考に検討した。2022年(令和4)年経産省を中心とする、国交省・農水省・環境省・総務省を含めた「再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会」が設定され、神山がその委員に選抜された根拠の一つとなる論稿である。
そこで本稿では、エネルギー関連法(Ⅱ)と、太陽光発電事業(Ⅲ)を概観し、太陽光発電事業者と地方公共団体の間での係争等(Ⅳ)および太陽光発電抑制のための条例等(Ⅴ)を検討し、こうした現況における自治体にとってのあるべき対策と、事業者のあるべき姿勢、および双方が Win-Win となるような制度構築のために国がとるべき対処等について検討し、「公共関与」の必要性を提案する(Ⅵ)。特に、Ⅴ、Ⅵにおいては、主に、太陽光発電施設が持つ発火・火災原因となるという性質から消防法を、迷惑施設という性質から廃掃法を参考に検討した。2022年(令和4)年経産省を中心とする、国交省・農水省・環境省・総務省を含めた「再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会」が設定され、神山がその委員に選抜された根拠の一つとなる論稿である。
本文言語 | 日本 |
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ページ(範囲) | 1-21 |
ジャーナル | 企業法学研究 |
巻 | 8(1) |
出版ステータス | 出版済み - 2019/09 |
キーワード
- Renewable Energy
- Land Use
- 太陽光発電
- 地方公共団体