変わる土地法制を背景に林地所有と管理(保全)を考える

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術論文

抄録

要旨
土地に関する現代的課題の解決のために、土地法制が改正されてきている。本稿では、改正に至る社会背景を踏まえ、その上での改正内容を概括的に確認した。土地所有者等の管理義務(保全義務)が法的にも明確化されていることを述べた。あわせて、日本の土地法制が目指している「土地基本情報総合基盤(仮称)」の構築と活用、および「現代版検地」というものにも言及し、米国の未請求財産(権利を請求する者のない財産)と国庫帰属に関する法(エスチートメントロー)の運用とも比較しつつ、日本が目指す「土地基本情報総合基盤(仮称)」という「防災情報、固定資産税、登記、戸籍簿」等のネットワークのあり方を考えた。そのうえで、こうした土地法制の改正が、林地所有と管理に係る現代的課題にどの様に影響を与えているのか、または与えうるのかという観点で、2021(令和3)年民法・不動産登記法の一部改正および同年の相続土地国庫帰属法の制定に関して検討した。なかでも、林地所有における所有者不明地発生の予防、林地管理(保全)における利用の円滑化のための施策(この部分は、林地の保全に関して多角的に、農地の最適土地利用における林地化やリモートセンシング等を用いた手法等の法的問題を検討した)、および仕組み構築の視点から相続登記義務化等をとりあげ、俯瞰および検討し、若干の考察とともに締めくくった。
本文言語日本
ページ(範囲)
ページ数25
ジャーナル入会林野研究
44
出版ステータス出版済み - 2024/03/31

キーワード

  • 土地公法
  • 土地私法
  • 土地法
  • 現代版検地
  • 所有者不明土地
  • 相続登記
  • 登記義務化

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