北九州市におけるESD活動の現状と課題を考える―北九州ESD協議会加盟団体へのアンケートから―

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術論文

抄録

2014年に「国連の世界会議・ESDの10年・全体総括会議」が名古屋市で開催される。北九州市もESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)の地域拠点の一つとなっており、尽力する予定である。こうした中で筆者は、環境省のイニシアティブで進められている「+(プラス)ESDプロジェクト(ESDの理念に合致した様々な活動のデータベース化と連携促進、すなわち「見える化」「つながる化」)」に注目し、北九州ESDの中心となっている北九州ESD 協議会の加盟団体に個別調査票調査(アンケート)を実施した。そのアンケートの結果から、現状と課題を検討したものである。
結論としては、現状では、協議会の加盟団体が望むほどには、「見える化」「つながる化」ではできてないのが現状ではある。しかしながら、それを協議会に委ねるのか、それとも行政のトップダウンで行うのか、自主的に各団体が尽力するのかという部分には、各団体および各人の位相にはかなりの隔たりがある。さらにいえば、協議会の位置づけについてもかなりの多様な考え方があり、ともすると、協力はできないが情報はほしいという姿勢の団体もあるが、他方、協議会のみが中心になることに危惧を抱く団体もある。こうした論点を含め4点の論点を指摘した。北九州ESDは、トップダウンではなく各団体が主体的に活動を始めてきたという市民主体で多様な活動という性格を持つ。一方、そのため系統だっておらず、「見える化」「つながる化」には難しい土壌もある。しかしながら地域で一丸となってESD活動を盛り上げていくために議論を尽くす必要がある。
本文言語日本
ページ(範囲)1-24
ジャーナル社会文化研究所紀要
72
出版ステータス出版済み - 2013/08

キーワード

  • 北九州市
  • ESD
  • ESD教育

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