抄録
日本の大学における外国人留学生向け日本語クラスの多くは,様々な国からの留学生がともに1つのクラスで学ぶ形で開講されている。本学における日本語クラスも同様である。様々な国・地域からの留学生がいることによりクラスが活性化されるという利点がある一方,留学生の母語や既習外国語の知識を利用しにくいという問題もある。特に漢字クラスについては,中国や韓国からの漢字圏出身者と非漢字圏出身者とでは漢字および漢字語の知識に大きな開きがあり,指導上重点を置くべき点も異なる。そのため,別クラスが設けられることもあるが,予算的事情等で混合クラスとなる場合もあり,本学も混合クラスとして開講している。この場合,非漢字圏出身者向けの指導に重点が置かれ,漢字圏出身者向けの指導は十分に行われないことも多い。そこで,本学の中・上級レベル日本語学習者向け漢字クラスにおいて,毎回の授業のまとめとして行っているグループ練習の中に漢字圏出身者向けの内容を加えることによって,指導の充実を図りたいと考えた。本稿では,そのための基礎研究として行った,グループ練習用教材で扱っている漢字語と中国語(簡体字)との意味的対応関係について整理したリストを紹介する。
寄稿の翻訳タイトル | The Development of Kanji Learning Materials for Chinese-Speaking Learners of Japanese : A Preliminary Study |
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本文言語 | 日本 |
出版社 | 富山大学国際交流センター |
ページ | 131-142 |
ページ数 | 12 |
巻 | 3 |
ISBN(印刷版) | 1881316X |
DOI | |
出版ステータス | 出版済み - 2017/03 |
キーワード
- 日本語