抄録
空家等を一例とする「負の価値を持つ不動産(建物および土地等)」を、所有者から地方公共団体に寄付してもらい集約することで、まちづくりに活用できないかという期待に応えることが可能かという視点で、地方自治法96条1項9号の解釈から検討したものである。結果として、議会の議決権行使の対象ではなく、議会の議決なくしての寄附が可能である。しかしながら、概してこうした不動産の寄附には、寄付された自治体側にはその後の管理が伴い、また、往々にして空家の解体をすることも前提となっている。よって、そのような場合には(例として、寄附条例の策定のような)不動産の寄附の問題のみではとどまらない。空き家対策の中で寄附をどのように位置づけるかという観点での自治体政策設計が必須となるため、少なくとも空家対策条例のなかでの寄附条項の策定が必要となる。
本文言語 | 日本 |
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ページ(範囲) | 87-105 |
ジャーナル | 富山大学紀要.富大経済論集 |
巻 | 62(1) |
出版ステータス | 出版済み - 2016/07 |
キーワード
- 不動産
- 寄付
- 贈与
- 地方公共団体
- Land Use