超音波照射により細胞内酸化ストレスが誘起され、放射線を照射した時と似た細胞内環境が作られる。そこで、上記X線反応性プロモーターを細胞に導入し、1MHzの超音波を1W/cm^2で照射したところ、最大で約2倍の増強を示し、さらに、点変異導入で改良したものは約6倍の反応性を示した。これをゲノム中に導入した細胞をマウスに移植し腫瘍形成後超音波を照射したが、有意な増強は認められなかった。そこで、同じ転写因子のシスエレメントを利用して62種類の人工プロモーターを作成し、同様に超音波に対する反応性を調べたところ、10倍以上の反応性を示すものが得られた。さらに変異導入型PCR法により最大で20倍以上の増強を示すプロモーターを取得した。今後はこのプロモーターの生体での反応性や、治療遺伝子発現の効果などについて調べる。