本研究は、深層学習によって末梢型肺腺癌の臓側胸膜浸潤を正確に予測するシステムの構築を目指す。近年2cm以下の小型肺癌が多く診断されるようになり、それらに対して縮小手術を適用する機会が増加している。一方で小型肺癌でも臓側胸膜浸潤 がある場合は、予後が不良であり標準術式である肺葉切除が適当である。しかし術前の画像や肉眼像と病理組織診断とは乖離することが多い。現在、深層学習による画像識別技術が急速な進歩を遂げている。本研究では、胸腔鏡下手術画像を用いた深層学習によって、術中に胸腔鏡で撮影した臓側胸膜の静止画像から末梢肺腺癌のVPIの有無を瞬時に判定するための診断システムを構築し、その精度検証を行う。