心不全の個別薬物療法を目的としたβ遮断薬の体内動態変動機構と人種差の解明

  • 橋本, 征也 (研究代表者)
  • 能澤, 孝 (研究分担者)
  • 田口, 雅登 (研究分担者)
  • 本多, 睦子 (研究分担者)

プロジェクトの詳細

研究概要

健常者を対象とした臨床試験を行い、カルベジロールの体内動態に及ぼす薬物酸化・抱合酵素およびトランスポーターの遺伝子多型の影響を評価した。CYP2D6*10の保有者ではカルベジロールの経口クリアランスが有意に低下した事から、CYP2D6*10が日本人におけるカルベジロールの体内動態変動の主要因であると推定された。一方、ビソプロロールではCYP2D6*10の影響が認められず、体内動態およびβ遮断効果の個体差が小さい事が明らかとなった。また、β受容体の感受性が心不全や腎機能低下などの病態時に変化するとの報告があることから、両側尿管を結紮した腎障害モデルラットにおけるβ遮断薬の薬効評価を追加した。β遮断作用自体は腎障害の影響を受けず、血中濃度データに基づくβ遮断薬の投与調節が重要である事が明らかとなった。本研究の結果は、心不全症例に対するβ遮断薬の個別投与設計法の開発に繋がる有用な知見と考えられる。
ステータス終了
有効開始/終了日2005/01/012006/12/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥3,500,000

キーワード

  • 心不全
  • β遮断薬
  • 薬物体内動態
  • 人種差
  • カルベジロール
  • ビソプロロール
  • メトプロロール
  • CYP2D6
  • heart failure
  • β-blocker
  • pharmacokinetics