これまで地域文化ストックという概念を打ち立て、伝統産地の分析ツールを開発してきた。その開発過程で、保守的でイノベーションが起きにくいと考えられている伝統産地でも、新たなサービスや商品開発が多数起きていることが明らかとなった。そこで本研究では、輪島漆器産地(輪島市)と井波彫刻産地(南砺市)に加え、高岡銅器産地(高岡市)を調査対象とし、地域文化ストックとイノベーションの関係について調査を行う。特に知識科学の知見を取り入れ、産地のイノベーションの創発要因と創造プロセスを明らかにしつつ、普遍性ある伝統産地のイノベーションモデルの構築を図り、産地再生や地域再生につなげていく。