アミロイドβは、マイクログリアをM1化して炎症および神経変性を誘発する。一方、マイクログリアには抗炎症性・組織修復性のM2がある。我々は以前、HDAC3阻害剤RGFP966がマイクログリアをM2化し、軸索伸長を誘発することを報告した。そこで本研究は、in vivoおよびin vitroのアルツハイマー病モデルに対するRGFP966の作用を検証することを目的とした。その結果、RGFP966はアミロイドβによってM1化したマイクログリアをM2化させ、因子Aの分泌を促進し、変性軸索を正常化することにより、アルツハイマー病モデル5XFADマウスの記憶障害を回復させることが示された。