年別の研究成果
年別の研究成果
プロジェクトの詳細
研究概要
ミツバチ, アリ, シロアリのカースト分化では, 幼若ホルモン, エクダイソン, インスリンが重要な役割を担うが, ホルモンのシグナル伝達が特異的な形態形成に与える影響はよくわかっていなかった. 前年度までに, タカサゴシロアリの兵隊分化においてこれらのホルモン受容体遺伝子の発現量解析を行い, ホルモンの部位特異的なシグナル伝達が器官発達や退縮に関与することが示唆されていた. 本年度はそれらホルモンの受容体遺伝子のRNA干渉法による機能解析を行った. その結果, エクダイソンの受容体遺伝子のRNAiにより, nasus形成および大顎の退縮が抑制された. したがって, タカサゴシロアリの兵隊分化では, エクダイソンは器官の成長と退縮の両方を制御していることが示唆された. シロアリの兵隊分化は幼若ホルモン量の上昇が兵隊への発生運命の決定にはたらく. これまでエクダイソンが兵隊分化に関わることは, エクダイソン量測定により示唆されていた. 本研究は, エクダイソンのシグナル伝達因子の機能解析によりエクダイソンが兵隊分化に関わることを示した.
| ステータス | 終了 |
|---|---|
| 有効開始/終了日 | 2012/01/01 → 2014/03/31 |
資金調達
- Japan Society for the Promotion of Science: ￥1,800,000
キーワード
- カースト
- 形態形成
- ツールキット遺伝子
- ホルモン
研究成果
- 2 学術論文
-
Hox Gene Deformed is likely involved in mandibular regression during presoldier differentiation in the nasute termite Nasutitermes takasagoensis
Toga, K., Saiki, R. & Maekawa, K., 2013/09, In: Journal of Experimental Zoology Part B: Molecular and Developmental Evolution. 320, 6, p. 385-392 8 p.研究成果: ジャーナルへの寄稿 › 学術論文 › 査読
18 被引用数 (Scopus) -
Expression and function of a limb-patterning gene Distal-less in the soldier-specific morphogenesis in the nasute termite Nasutitermes takasagoensis
Toga, K., Hojo, M., Miura, T. & Maekawa, K., 2012/05, In: Evolution and Development. 14, 3, p. 286-295 10 p.研究成果: ジャーナルへの寄稿 › 学術論文 › 査読
36 被引用数 (Scopus)