ホスト・ゲスト錯体の会合・解離を化学刺激として利用するDNAナノ構造の超構造制御

  • 井上将彦(依頼講演) (Principal Investigator)

Project Details

Abstract

我々は平成21年度において、DNA二重鎖の一方の5'末端にβ-シクロデキストリンを、その相補鎖の5'末端にアダマンタン誘導体を代表的なクリック反応であるHuisgen反応で導入した修飾DNAの合成に成功した。これらがハイブリダイズすると、シクロデキストリンとアダマンタンの錯形成を介してDNA二重鎖が自己集合すると予想される。平成22年度においては、修飾DNAの塩基数と二重鎖融解温度(T_m)との関係を調べた。実際ハイブリダイズさせ、その融解温度(T_m)を測定したところ、例えば塩基数が7の場合、非修飾DNAに比べてT_mが約20℃上昇した。この融解温度の上昇は、ホスト・ゲスト錯形成を介してより鎖長の長い自己集合体が形成されていることを示唆している。さらに、非修飾DNAではT_mを観測することができない6merの修飾DNAは、約30℃という比較的高いT_mを示した。
StatusFinished
Effective start/end date2009/01/012010/12/31

Funding

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥4,680,000.00

Keywords

  • DNA
  • ナノ構造体
  • メゾスコピック
  • ホスト・ゲスト
  • 動的制御