臨床報告 鍼灸治療が奏効した水球選手の2例

木村 真梨, 柴原 直利, 津田 昌樹, 永田 豊, 藤本 誠, 小尾 龍右, 引網 宏彰, 後藤 博三1, 嶋田 豊

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術論文査読

抄録

近年,スポーツ選手に対して鍼灸治療が施される機会が増加しているが,局所やトリガーポイントへの単刺法や通電治療を施したとする報告が多い。今回我々は随証治療による鍼灸治療が奏効した水球選手を2例経験したので報告する。症例1は16歳,男性。練習後に右拇指違和感を自覚し,練習時間延長とともに拇指痛が持続するようになり,左手のシビレ感も認めるようになったため,鍼灸治療を行った。原穴への接触鍼,背部兪穴への置鍼などを施術し,治療直後に症状が消失した。症例2は17歳,男性。腰痛を自覚し,その後に首の凝りも認めるようになったことから,鍼灸治療を行った。原穴への接触鍼,背部兪穴及び奇経への治療として、八宗穴への置鍼などを施術し,治療直後より症状が消失した。症例1,症例2ともに随証治療により症状が軽快し,強度な運動の継続も可能となったことから,スポーツ選手に対する証に随った鍼灸治療の有用性が示唆された。
寄稿の翻訳タイトルTwo Cases of Water Polo Athletes Successfully Treated with the Acupuncture and Moxibustion Therapy
本文言語日本
ページ(範囲)623-628
ページ数6
ジャーナル日本東洋医学雑誌
60
6
DOI
出版ステータス出版済み - 2009
外部発表はい

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