抄録
本研究は,美術館の所蔵作品を教育的に活用するための要件を導きだそうとしたものである。まず,先行研究を分類すると,美術館における優れた実践であっても参加者の反応を取り上げた研究が少ないという課題が浮き彫りになった。そこで,筆者の実践してきた大学の教員養成における必修講義,教員免許状更新講習,子供対象のワークショップの参加者アンケートの自由記述や聞き取り調査をテキストマイニングソフトを用いて分析することにした。その結果,積極的に本物の作品との出会いをつくるために美術館訪問の機会の設定を意図的に行うことや,チラシの配布や入館の誘いを行うことの有効性が確認できた。さらに,作品を前に自由な対話を奨励する無理のない鑑賞内容の設定が有効であることや,所蔵作品を利用するからできる年度ごとの内容の構成の見直しが可能であることも分かってきた。
寄稿の翻訳タイトル | A Study Which Would Contribute to Continuous Utilization of Museum Collections for Education |
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本文言語 | 日本 |
ページ(範囲) | 193-200 |
ページ数 | 8 |
ジャーナル | 美術教育学研究 |
巻 | 49 |
号 | 1 |
DOI | |
出版ステータス | 出版済み - 2017/03/31 |