緩和ケア病棟の看護師が捉える終末期患者の安楽: 患者の社会的な側面に焦点を当てて

北谷 幸寛, 八塚 美樹

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術論文査読

抄録

患者の社会的側面に注目して,緩和ケア病棟の看護師が終末期患者の安楽をどのように捉えているのか明らかにすることを目的とした. 緩和ケア病棟で勤続3 年以上の看護師10 名に半構成的面接法で,インタビューを行った.分析は質的記述的研究法に基づき行った.4 のカテゴリ,12 のサブカテゴリ,38 のコードが抽出された.看護師は終末期患者の安楽を,<自分らしさを感じられる社会とのつながりがある>,<親しい人の存在を感じられる>,<死後,つながりのある人の安寧を信じることができる>,<信頼できる家族や医療者の支えがある>と捉えていた. これまで築き上げてきた自分という存在が無くなることへの患者の恐怖・不安は消えない.緩和ケア病棟の看護師は終末期患者の安楽を,恐怖や不安に対して,信頼できる人たちとのつながりや,自分らしさを感じられるつながりだけでなく,死後に他者の中に生きた証として何らかの形で自分の存在を残していくことと捉えていた.
寄稿の翻訳タイトルAnraku of terminal patients is recognized by the nurses inpalliative care unit: Focus on patients social aspects
本文言語日本
ページ(範囲)17-26
ページ数10
ジャーナル富山大学看護学会誌
17
1
DOI
出版ステータス出版済み - 2017/09

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