抄録
金属は比較的劣化しにくい素材であるが、金属文化財は一般的に保管状況によっては侵食されてしまう。 著者らは数多くの古代青銅鏡の冶金学的調査を行っており、鏡の表面や腐食層に純銅の塊や正体不明の腐食生成物の形成が確認された。 そこで、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)、エネルギー分散型分光器(EDS)を備えた走査型電子顕微鏡(SEM)、顕微X線回折装置(μ-XRD)、X線光電子分光器(XPS)を用いて腐食生成物の同定調査を行った。 分析から得られた証拠は、微生物が腐食生成物の原因であった可能性があることを示唆している。 この観点を確認するための研究と調査が進行中である。 本稿ではこれまでに得られた成果と将来の展望について報告する。
金属文化財の微生物学的劣化過程が明らかになれば、文化財の保存科学の発展に貢献することが期待される。
金属文化財の微生物学的劣化過程が明らかになれば、文化財の保存科学の発展に貢献することが期待される。
寄稿の翻訳タイトル | Microbiological Deterioration of Metallic Cultural Artifacts |
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本文言語 | 日本 |
ページ(範囲) | 417-422 |
ページ数 | 6 |
ジャーナル | Funtai Oyobi Fummatsu Yakin/Journal of the Japan Society of Powder and Powder Metallurgy |
巻 | 51 |
号 | 6 |
DOI | |
出版ステータス | 出版済み - 2004 |
外部発表 | はい |