教育実習生の小学校体育科指導の心配に関する事例研究

木原 成一郎, 磯﨑 尚子, 磯﨑 哲夫

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術論文

抄録

本研究は,国立H大学教員養成学部3年生が教育実習生として体育科の授業を指導する時,何を心配と感じるのか,また彼らが対処すべきと感じる課題は何かを明らかにすることを第1の目的とした。さらに,実習生がそれらの課題に対処するためにどのような援助を有効と考えているかを明らかにすることを第2の目的とした。21名の実習生の心配事を分類した結果と3名の学生のインタビューの解釈より以下のことが示唆された。まず第1に,5週間の教育実習中,実習生はクラス全員の子どもを安全に規律を守って運動させることを課題の中心と意識した。第2に,反省会や指導案の作成における指導教官との対話,教科の知識に関する同僚学生との対話が,目の前の子どもの実情に即して教室の規律を維持し,諸困難を処理するために必要な実践的知識の獲得に効果がある。第3に,指導教官の模範授業を観察する時期を1週目に限定せず,2週目以降にも設定する実習計画の改善が必要である。第4に,教育実習で学んだ体育の目標に関する実践的知識を学生が振り返り整理するために,体育の目標に関する理論的知識を学ぶ機会を事後指導に位置づけることが必要である。
寄稿の翻訳タイトルConcerns of Pre-service Teachers in Teaching Physical Education
本文言語日本
ページ(範囲)29-38
ページ数10
ジャーナル日本教科教育学会誌
25
4
DOI
出版ステータス出版済み - 2003/03/30

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