図画工作科の学びにおける児童の模倣行動と教師の関わり

浦崎 渉, 隅 敦

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術論文査読

抄録

模倣は児童にとって当たり前の活動であり,学習の一つの過程である。しかし,「真似る=絵が苦手な子供」という見方をもっている教育者もいる。そのような模倣する子供像の打破が,子供たちのさらなる創造へとつながるのではないだろうか。本研究では,普段の授業で発生した児童の模倣行動を質的に分析し,そのきっかけや製作の変化,どのように学びにつながっているのかという視点から模倣の意味を明らかにし,教師がどのように関わるべきかを考察しようとした。その結果,製作に行き詰まった状況を模倣することによって乗り越えている様子が多数確認された。また,模倣したことが題材の評価の観点に結びついている事例が39/97事例抽出でき,「発想」につながる模倣は言葉やイメージが対象となるものが多いことや,「技能」に結びつく模倣は教師の「指示」や「示範」がきっかけとなっていることが明らかとなった。教師の関わりのうち「提示」や「同意」は児童同士の模倣を促す働きがあることがわかった。

寄稿の翻訳タイトルThe Relationship between Children’s Imitation Behavior and the Teacher in the Learning of Arts and Handicrafts
本文言語日本
ページ(範囲)65-72
ページ数8
ジャーナル美術教育学研究
51
1
DOI
出版ステータス出版済み - 2019/03/31

引用スタイル