九州北部福岡県筑豊炭田の始新統直方層群下部のジルコンU-Pb年代

宮田 和周, 長田 充弘, 仁木 創太, 服部 健太郎, 大林 秀行, 平田 岳史, 大藤 茂

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術論文査読

抄録

九州北部福岡県の筑豊炭田における始新統の直方層群下部の三尺五尺層から,新たに得られたジルコンのウラン-鉛(U-Pb)年代は,かつて同層群上部の上石層から報告されたフィッション・トラック年代(44.2±3.4Ma)よりも有用な年代学的制約となる.LA-ICPMSで測定された三尺五尺層の凝灰岩および凝灰質岩4層の堆積年代は,層序順に下位から46.18±0.59Ma,44.21±0.49Ma,41.53±0.28Ma,そして40.34±0.20Maであった.これらの年代は,三尺五尺層におよそ500万年を超える見かけ上の堆積期間があり,その期間は九州における軟体動物化石年代層序の沖ノ島階の期間(中期始新世中期~後期始新世?)の大半に相当する.また,三尺五尺層基底付近の下部と同層群基底の大焼層は年代的により古い高島階(前期始新世~中期始新世前期)に対比されること示す.すなわち,筑豊炭田の堆積盆形成作用は遅くとも中期始新世前期には既に始まっていたと推測される.

寄稿の翻訳タイトルU-Pb zircon ages of the lower part of the Eocene Nogata Group in the Chikuho Coalfield, Fukuoka Prefecture, northern Kyushu, Japan
本文言語日本
ページ(範囲)251-266
ページ数16
ジャーナル地質学雑誌
126
5
DOI
出版ステータス出版済み - 2020/05/15

引用スタイル