V-系低放射化材料における水素同位体の吸収・放出過程

  • WATANABE, Kimiaki (研究代表者)
  • 波多野, 雄治 (研究分担者)
  • 原, 正憲 (研究分担者)

プロジェクトの詳細

研究概要

V-4Ti合金およびV-4Ti-4Cr合金(核融合科学研究所提供)板材を673〜1273Kに加熱し表面分析を行ったところ、800K以上の温度領域でTiが表面偏析することがわかった。そこで、熱処理により表面Ti濃度が異なる試料を調製し、523〜1023Kで水素吸収実験を行い、捕獲係数αを求めた。Tiが表面偏析していない場合には10^<-4>程度の比較的大きな値が得られたが、Tiを表面偏析させるとαの値は2〜3桁減少した。すなわち、Tiの表面偏析により水素同位体の透過に対する障壁効果が得られた。第一原理計算の結果、Ti自体は障壁効果に寄与しないことがわかったので、この障壁効果の発現は、Vより酸素との化学的親和力が強いTiが表面偏析し、不純物酸素の影響をより強く受けたことによると結論した。Tiが偏析していない場合のαの値と、[Ti]/[v]〜0.5程度まで偏析させた場合の値は、従来の報告値のばらつきの上限値と下限値にほぼ対応し、Tiの挙動を把握することにより報告値のばらつきを理解できる可能性があることが示唆された。なお、本実験条件下では表面反応速度における同位体効果は小さく、実験誤差の範囲内であった。
ステータス終了
有効開始/終了日2002/01/012004/12/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥8,000,000

キーワード

  • 核融合炉
  • 低放射化材料
  • バナジウム合金
  • 水素同位体
  • ブランケット
  • チタン
  • 表面
  • 透過障壁
  • Fusion Reactor
  • Low-activation Materials
  • Vanadium Alloys
  • Hydrogen Isotopes
  • Blanket
  • Titanium
  • Surface
  • Permeation Barrier