NADP(H)に着目した抗がん剤による日周リズムの維持・変動メカニズムの解明

  • 岡崎, 史泰 (研究代表者)

プロジェクトの詳細

研究成果の概要

スルファサラジンは、がん幹細胞に対しても効果をもつ新規抗がん剤として期待されている。しかし、抗がん剤は一般的に日周リズムを変動させることが報告されており、そのメカニズムを解明することは時間薬物療法を臨床で使用する上で重要なテーマである。本研究で、培養細胞にスルファサラジンを暴露させると日周リズムが発振されることを確認した。また、スルファサラジンの投薬時刻によって日周リズムが維持される時刻が存在し、NADPHが関与することが確認された。本研究成果は、時間薬物療法を臨床応用する上で重要な知見になると考えられる。

研究成果の学術的意義や社会的意義

スルファサラジンを用いた時間薬物療法は、スルファサラジンの抗腫瘍効果を増大させるだけでなく、他の抗がん剤の抗腫瘍効果を増大させる。がん化学療法では、一般的に複数の薬剤を併用することから、日周リズムの維持・変動のメカニズムや日周リズムが回復するまでの休薬期間の解明は、抗がん剤の投薬スケジュールを決定する上で重要なエビデンスになると考えられる。また、日周リズムの異常は、鬱や代謝異常、循環器異常など様々な疾患の原因になることから、今後抗がん剤投薬によって生じる副作用のメカニズム解明にもつながると期待される。
ステータス終了
有効開始/終了日2018/04/012021/03/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥4,160,000

キーワード

  • 時間薬理
  • 体内時計
  • がん