プロジェクトの詳細
研究概要
量子コホモロジー環は、カラビ・ヤウ多様体の変形の空間、モジュライ空間の局所的な性質に由来することが知られている。モジュライ空間の一般的な領域では対応するカラビ・ヤウ多様体はなめらかな多様体であるが、特別な点に対しては、退化した曲面になる。"大体積極限"はそうした一つの退化したカラビ・ヤウ超曲面である。この様な極限点は、モジュライ空間のコンパクト化の手続きを経て定義されるものである。本研究では、トーリック幾何学に基づいて、カラビ・ヤウ多様体が構成される場合、モジュライ空間の自然なコンパクト化が存在し、そのコンパクト化の下では、常に"大体積極限"が存在することを示した。また、この結果に基づいて、量子コホモロジー環の結合定数に対する一般表式を与えることが出来た。証明は、Gel'fand-Kapranov-Zelevinskiによって近年導入された一般化された超幾何微分方程式系の解析に基づいておりこの側面からも興味深い。
ステータス | 終了 |
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有効開始/終了日 | 1995/01/01 → 1995/12/31 |
資金調達
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥700,000
キーワード
- カラビ・ヤウ多様体
- ミラー対称性
- 多変数微分方程式
- 共形場の理論
- トーリック多様体
- グレブナ基底