骨形成因子(BMP)は細胞膜に存在するBMP受容体(BMPR2など)に結合し細胞内へシグナルを伝達する。BMP受容体の遺伝子変異は肺高血圧症、先天性心疾患、若年性ポリポーシス症候群など細胞増殖性疾患を引き起こすことが知られている。本研究ではBMPR2遺伝子変異マウスおよびマウス由来線維芽細胞を用いて細胞増殖異常に関わる分子機構の解析を行なった。その結果、BMPR2欠損線維芽細胞が上皮細胞の増殖を促進することが明らかとなった。またBMPシグナルの異常はTNFとNK-kBシグナルを増幅させることから炎症刺激に対する反応性の亢進が病態の形成に重要であることが示唆された。