プロジェクトの詳細
研究概要
2次元領域における進行スポットパターンの分岐について研究をした。2成分系の反応拡散方程式系では安定な進行スポット分岐解は得られず,non-localな項を含む系特有の現象だと考えていたが,これらの性質の本質を落とすことなく,non-localな項を含まないより次元の高い系(3成分系)に書き換え可能であることがわかった。これは3種競争拡散系に非常に良く似ている。拡散比,反応比,非線形性が巧妙に影響しあっての結果である。これにより数学的解析が可能になった。まず空間一次元の場合には,双安定の仮定のもとで、フロント進行波解,バック進行波解の存在,およびその安定性が理論に示せた。さらに,このフロント進行波解,バック進行波解を結合して定常パルス解を構成することに努力している。安定性についてはこれからの課題であるが,分岐パラメータを動かしながら,対称モードの不安定化よりも非対称モードの不安定化が先に起こることを示したい。この時,フロント進行波解とバック進行波解の安定性と(定常パルス解に結合される)結合の仕方が重要な情報になる。この非対称モードの不安定化によって,新たに分岐する解が安定な進行パルスパターンである。空間2次元の場合にも,安定な進行スポットパターンが存在していることが数値的に確かめられた。局座標表示して対称解を構成し,その安定性を考察する。この時,空間1次元の結果が役に立つ。進行スポットパターンを対称解からの分岐解として捕える予定である。
ステータス | 終了 |
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有効開始/終了日 | 1997/01/01 → 1998/12/31 |
資金調達
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥2,700,000
キーワード
- 反応-拡散方程式
- 特異摂動法
- 進行パルス
- 定常パルス
- 分岐現象
- 安定性
- 反応-拡散方程式系
- 分岐問題
- non-local
- reaction-diffusion systems
- singular perturbation method
- traveling pulses
- standing pulses
- bifurcation phenomena
- stability property