プロジェクトの詳細
研究概要
中性子散乱実験や密度測定などから、鎖間相互作用が液体テルル混合系で重要であることが明らかにされている。我々は、鎖間相互作用と伝導機構の関係を調べることを目的として、鎖をブリッジさせるべくAsを添加した液体Te・As系と、鎖を孤立させるべくSeを添加した液体Te・Se系のホール係数測定を行った。As.Seを添加すると、ともにホール係数は大きく増加し、また温度上昇と共に急激に減少して液体Teのホール係数の値に近づいていく。液体Teのホール移動度が温度によらずほぼ一定であるのに対し、混合系では大きく温度変化する。電気伝導度とホール係数の両対数プロットを行うと、液体Te-Se系では組成によらずほぼ同じ直線上にのるのに対し、液体Te・As系では2つの領域に別れる。低伝導度領域では組成ごとに異なるホール係数値を示して変化が小さいのに対し、モットの最小金属伝導度を越えて金属領域に入るとホール係数は急激に減少する。これは、液体Te・Se系が半導体領域でも金属領域でも同じ鎖状構造を基本構造としているのに対し、液体Te・As系では低伝導度領域でネットワーク構造、金属領域で鎖状構造とその構造が変化するためと考えている。大型放射光施設において行ったEXAFS測定から求めた配位数の温度変化にもこの傾向が現れている。
ステータス | 終了 |
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有効開始/終了日 | 1997/01/01 → 1998/12/31 |
資金調達
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥2,000,000
キーワード
- 液体
- カルコゲン
- ホール係数
- 金属
- 高温
- 液体カルコゲン
- 高温・高圧