そして細胞内でCDK8とPRMT5の相互作用の機能を解析のためにHeLa S3細胞を用いてC/EBPβの標的遺伝子をモデル遺伝子としたChromatin immunoprecipitation解析を行った。この結果、PRMT5がCDK8と共にC/EBPβの標的遺伝子のプロモーター上に存在しており遺伝子の発現が誘導されるとCDK8とPRMT5が同時にプロモーター上から脱離することを発見した。そして、siRNAを用いてCDK8の発現を減少させたところIL-1β,IL-8,TNFα遺伝子のプロモーター上のPRMT5の存在量が減少し、IL-1β,IL-8,TNFα遺伝子の発現量が上昇した。これらのことからCDK8がいくつかのC/EBPβの標的遺伝子のプロモーター上にPRMT5をリクルートし、ヒストン修飾を行うことによってプロモーター下流の遺伝子の発現を抑制するという新しいメディエーター複合体による転写抑制機構が示されたと考えている。