自己免疫病の病態形成における脂質認識分子の解析

血清可溶型MD-1が自己免疫病モデルマウスMRL/lprマウスの疾患活動性と相関して増加することを見出した。MRL/lprマウスにおける可溶型MD-1の産生臓器を検討するために、各種臓器を採取し、MD-1 mRNA発現を調べたところ、MRL/lprマウスの加齢と共に肝臓と腎臓におけるMD-1 mRNA発現が増加していた。蛋白レベルでのMD-1発現を検討したところ、加齢と共にMRL/lprマウスの腎臓における発現が増加していた。そこでMRL/lprマウスの腎臓を免疫組織染色法で検討したところ、加齢に伴い、腎臓の血管周囲にMD-1陽性のマクロファージの浸潤を認めた。以上から、MRL/lprマウスの疾患活動性と相関して増加する血清可溶型MD-1の産生細胞の一つは、腎臓の浸潤マクロファージであることが示唆された。