脱芳香族的Diels-Alder反応を基軸とする未踏分子変換法の開発

プロジェクトの詳細

研究開始時の研究の概要

芳香環をジエンとして直接利用する脱芳香族的Diels-Alder反応は、芳香環が安定であるがゆえに一般的には進行しにくく、高反応性芳香環もしくは高反応性ジエノフィルを用いた反応例に限定される。今回、低反応性芳香環をジエンとして直接利用する低反応性のアルキンとの脱芳香族的Diels-Alder反応を開発する。

研究成果の概要

Diels-Alder反応は、ジエンと求ジエン体との環化付加により六員環化合物を与える反応であり、有機合成化学上最も重要な反応に位置づけられる。しかし芳香環をジエンとするDiels-Alder反応は、その安定な芳香族性を壊す反応であるため一般に難しい。今回、芳香環をジエンとして直接利用するアルキンとの脱芳香族的Diels-Alder反応を開発した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

芳香環をジエンとして直接利用する脱芳香族的Diels-Alder反応は、多環式化合物を合成する上で魅力的な手法である。しかし、芳香環が有する高い芳香族安定化エネルギーを乗り越える脱芳香族的反応は一般的に難しいため、ジエンとして利用可能な芳香環は高反応性のものに限定される。今回、チオフェン、フラン、メトキシナフタレンを芳香環のジエンとするアルキンとの脱芳香族的Diels-Alder反応を開発することに成功した。
ステータス終了
有効開始/終了日2021/04/012024/03/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥4,160,000

キーワード

  • Diels-Alder反応
  • 脱芳香族化
  • アルキン
  • チオフェン
  • フラン
  • ナフタレン
  • Diels-Alder
  • ドミノ反応
  • タンデム反応