脊椎椎間板変性制御および再生による治療法の確立

  • Seki, Shoji (研究代表者)
  • Kawaguchi, Yoshiharu (研究分担者)
  • 関 庄二,牧野紘士,箭原康人,塩沢俊一,妻木範行,木村友厚 (研究分担者)
  • 頭川峰志,長田龍介,牧野紘士,野上真紀子,関 庄二,岡部泰典,吉田淑子,木村友厚 (研究協力者)

プロジェクトの詳細

研究成果の概要

腰椎椎間板変性は腰痛の一因であり、ヘルニアや狭窄症を引き起こす。しかし実際に椎間板変性を改善する薬はない。我々は、選択的c-Fos/AP-1阻害薬(T-5224)を用いて椎間板変性抑制効果および疼痛抑制効果を検討した。椎間板変性モデルラットにT-5224あるいは偽薬(PVP)を投与し、椎間板変性の進行抑制効果を検討したところ、X線、MRI、組織検査で有意に変性が抑制され、さらに熱刺激による疼痛抑制効果を検証したところ、有意に疼痛抑制効果が確認された。これらから椎間板性腰痛患者にとってT-5224 内服により椎間板変性が抑制され、同時に痛みが緩和する可能性があることを示唆する。

研究成果の学術的意義や社会的意義

腰椎椎間板変性は、脊柱管狭窄症、ヘルニア、腰痛の原因の一つである。これらの疾患は若年-中高年まで労働生産性の高い年代に患うことが多い。現在臨床応用可能な椎間板変性抑制の薬はなく、早期臨床応用可能な治療法の開発は急務である。椎間変性が抑制できれば、多くの腰痛や狭窄症に悩む患者にとって非常に朗報である。c-fos/AP-1阻害薬(T-5224)は、動物実験レベルでは椎間板変性抑制作用とその関連痛を抑制した。この薬は実際にヒトへの投与も可能であり、実際に臨床的効果が得られれば、労働生産性の向上など社会的利益も大きい点で、極めて有益な研究であると確信する。
ステータス終了
有効開始/終了日2016/04/012019/03/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥4,680,000

キーワード

  • AP-1阻害剤
  • 腰椎椎間板
  • 椎間板穿刺モデル
  • 腰痛症
  • 脊椎脊髄病学