本研究では、新規膜透過測定法と人工知能(AI)による、薬物キャリアとして利用可能な高い膜透過性を発揮する環状ペプチドを合理的に設計する方法を確立する。このような環状ペプチド設計法が実現すれば、環状ペプチドの高い安定性を生かした経口投与が可能で、効果が高く副作用の少ない新しい創薬開発につながる技術革新となる。そこで、種々のアミノ酸を網羅的に含む数十~百種類の環状ペプチドについて、独自に構築した測定系により脂質二重膜透過量の測定をおこなう。このデータに応募者らが開発したAIによるタンパク質配列設計法を適用することで、高い膜透過性を持つ配列を非天然アミノ酸を含む広い探索空間から発見する。