磁気チップを用いた単一細胞レベルでの細胞間相互作用の網羅的解析法の開発

  • 岸, 裕幸 (研究代表者)
  • 近藤, 佐千子 (研究分担者)
  • 本多, 立 (研究分担者)

プロジェクトの詳細

研究概要

まず、富山県工業技術センターにて製作された磁気チップを用い、直径4μmあるいは50nmの磁気ビーズにて標識したマウスリンパ球を磁気チップへの結合をさせることができるかを解析した。その結果4μmのビーズはチップ上の磁気盤に吸引されたが、50nmの磁気ビーズは吸引されなかった。また、用いた4μmの磁気ビーズが蛍光を発することが観察された。磁気ビーズの蛍光は測定の際のバックグランドノイズとなるため蛍光を発しない50nmのビーズを用いて細胞を磁気チップに吸着させる条件を現在検討している。平行して、磁気チップを用いたBリンパ球活性化の検出システムの開発を行った。鶏卵リゾチーム(HEL)特異的抗体遺伝子トランスジェニックマウス由来Bリンパ球を用い、この細胞に磁気ビーズを吸着させた状態で、HELで刺激し、カルシウム応答を観察したところ、抗原刺激による細胞内のカルシウムの応答を観察することができた。また、磁気チップ上でHELを膜表面に発現させた細胞を培養する条件を検討し、チップ全面に細胞を付着させることができるようになった。今後、上記HEL特異的抗体を発現したBリンパ球を用い、磁気チップ上で細胞間相互作用を行わせ、細胞の活性化を検出する条件を検討していく。今後の課題として、細胞に結合しなかった磁気ビーズをどのように細胞から効率よく分離することができるか、また、磁気チップの磁力の強さをどのようにして向上させるかを検討していく必要がある。
ステータス終了
有効開始/終了日2005/01/012005/12/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥3,500,000

キーワード

  • 磁気チップ
  • 単一細胞
  • 細胞間相互作用