申請者は過去に腸内細菌叢が血中脂質組成を決定づけ、その程度が肥満や耐糖能異常と相関することを明らかにした(Watanabe Y et al., iScience, 2021)。またポリフェノールXがA. muciniphilaを増加させ、腸内細菌叢依存的に便中脂質排泄を促進し、肥満・糖代謝改善作用を示すことを見出した。これらに共通する機序として腸内細菌叢依存的な小腸栄養トランスポーターの変化を見出し、その破綻により代謝異常に至るという仮説を持った。本研究ではA. muciniphilaなど様々な腸内細菌を培養、移植し腸管上皮や表現型に与える影響を検討し腸内細菌叢への介入による代謝改善に挑む。