中国最古の医学書「黄帝内経」には、未病の時期を捉えて治すことが最高の医療であると記載されている。実際に、平成29年に閣議決定された「健康・医療戦略」には、「未病の考え方などが重要になると予想され(中略)新しいヘルスケア産業が創出されるなどの動きも期待される」と記載されている。しかしながら、この未病という考え方は概念であり、その存在の科学的な証明が必要である。本研究では、複雑系数理科学であるDNB理論を生体情報の変化(揺らぎ)に適応することで、メタボリックシンドロームマウスの未病の検出を可能とした。本研究成果は、今後の「健康・医療戦略」に対しての社会的な意義を有するものと考えられる。