漢方医薬学と複雑系数理科学の挑戦 ~未病の検出から始まる新たな医療戦略の構築へ~

プロジェクトの詳細

研究成果の概要

自然発症メタボリックシンドロームマウス(TSODマウス)は、3ヵ月齢から肥満を、4ヵ月齢で高脂血症や糖尿病を、6ヵ月齢で脂肪性肝炎を順次発症することが知られている。本研究では、TSODマウスの脂肪組織の遺伝子発現情報に対してDNB解析を行なった。その結果、5週齢で未病の状態が検出ができた。この5週齢目での未病状態おいて、DNB解析により選択された遺伝子群は、147個の遺伝子で構成されていた。また、この147個の未病遺伝子群は、情報解析により、精子形成や細胞分化、器官形成、タンパク質分解、配偶子形成、神経ペプチド、インターフェロンαの関連遺伝子に系統化されることが明らかとなった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

中国最古の医学書「黄帝内経」には、未病の時期を捉えて治すことが最高の医療であると記載されている。実際に、平成29年に閣議決定された「健康・医療戦略」には、「未病の考え方などが重要になると予想され(中略)新しいヘルスケア産業が創出されるなどの動きも期待される」と記載されている。しかしながら、この未病という考え方は概念であり、その存在の科学的な証明が必要である。本研究では、複雑系数理科学であるDNB理論を生体情報の変化(揺らぎ)に適応することで、メタボリックシンドロームマウスの未病の検出を可能とした。本研究成果は、今後の「健康・医療戦略」に対しての社会的な意義を有するものと考えられる。
ステータス終了
有効開始/終了日2017/07/182022/03/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥18,720,000

キーワード

  • 未病
  • DNB
  • メタボリックシンドローム
  • 揺らぎ
  • ラマンスペクトル
  • ゆらぎ
  • 漢方薬
  • 防風通聖散
  • 超早期
  • 創薬
  • 超早期の遺伝子変化
  • 複雑系数理学