プロジェクトの詳細
研究成果の概要
漢字文化圏における漢文文献読解の基層構造を解明するために、まず基礎的研究として、これまでに調査したStein本74点、Pelliot本146点の合計220点の漢籍を対象に、日本の漢籍訓点資料とも比較しながら、加点時期と加点状態との関係を明らかにして公表した。さらに個々の資料の加点内容と加点状態を視覚的かつ数量的に把握できるように、Stein本9点(S.85,799,801,2074,5626,5745,6017,6259,8464)とPelliot本2点(P.2516,3670)の書誌記述ファイルと加点情報付テキストを作成して公表した。
研究成果の学術的意義や社会的意義
敦煌漢文文献の加点については従来から研究が行われてきたが、本研究によって、特に漢籍の全体像を加点時期と加点内容の関係から解明できたことは、漢字文化圏諸地域に現存する敦煌漢文文献以外の漢文文献における読解方法と加点現象との関係を解明する上でひとつの指針になりうるものである。また、従来の研究では敦煌漢文文献を画像や写真で部分的に取り上げるだけであったが、視覚的かつ数量的に把握できるテキストベースで記述したことは、精密な比較研究を行なう基礎ができたことになり、漢字文化圏における漢文読解の研究が一層進展できる契機を作ったことになり、学術上の意義は極めて高い。
ステータス | 終了 |
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有効開始/終了日 | 2018/04/01 → 2021/03/31 |
資金調達
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥4,290,000
キーワード
- 敦煌漢文文献
- 漢文文献読解
- 加点情報
- 書誌情報
- 漢字文化圏
- 書誌目録
- 加点概要