水の相転移挙動から観た高分子材料の生体適合性の発現機構

プロジェクトの詳細

説明

血液適合性(血小板接着抑制能)に優れた高分子材料中に観られる水の低温結晶化(昇温過程での結晶化)は,無定型氷から結晶氷への転移ではなく,単分子あるいは2-3量体の水分子が起源であることを,温度可変赤外分光法により明らかにした.これは,生体適合性材料中の特殊な水素結合ネットワーク構造を有する水の存在を否定している.さらに,生体適合性に劣る数種の高分子材料中の水の温度摂動に伴う状態変化を調査し,多くの材料中に低温結晶化水を見いだした.高分子材料のガラス転移温度および構成元素の比較により,低温結晶化水の有無は材料の生体適合性ではなく,高分子鎖の運動性および水分子の捕捉力に依存していることが判明した.
ステータス終了
有効開始/終了日2010/04/012014/03/31

フィンガープリント

このプロジェクトで扱った研究トピックを検索します。これらのラベルは、プロジェクトの研究費/助成金に基づいて生成されます。これらがまとまってユニークなフィンガープリントを構成します。