筆者は過去30余年に亙り日本に現存する朝鮮本の調査及び研究を行ってきたが、平成17〜18年度は未調査分のある国会図書館・東洋文庫・東京大学附属図書館・尊經閣文庫・京都大学附属図書館・大阪府立図書館・天理図書館の調査を行った。四部の中集部については従来の調査・研究の集大成である『日本現存朝鮮本研究集部』(京都大学学術出版会)を平成18年2月に刊行し、同年11月に橋本循財団より受賞し、19年3月末には韓国で瑞松韓日学術賞を受けることになっている。貴重書も種々発見した。この二年間の報告書として朝鮮王朝期(1392-1910)1356部の刊本に刻された刻手名の一覧を作成した。刻手名を有する刊本については、その書の刊年・刊地の推定がかなり出来る様になった。