摂食で遊離される酸性線維芽細胞増殖因子の学習・記憶,内分泌及び免疫系に対する作用

  • 佐々木, 和男 (研究代表者)
  • 塚田, 章 (研究分担者)
  • 川原田, 淳 (研究分担者)
  • 磯部, 正治 (研究分担者)
  • 大村, 裕 (研究分担者)

プロジェクトの詳細

研究概要

1.酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)の学習・記憶促進作用:老化促進モデルマウス(SAMP8)は加齢とともに学習・記憶が低下することで知られる。このSAMP8にaFGF及びそのフラグメント[Ala^<16>]aFGF(1-29)を生後21日目から10ヶ月間にわたり皮下投与した。受動的回避学習及びモリス水迷路学習課題で調べると、対照群に比べ投与群で有意に学習・記憶が改善していることが判明した。これはaFGF及びそのフラグメントが内側中隔コリン作動性ニューロンにおけるChAT活性低下を阻止したことによると考えられる。2.aFGFの内分泌系及び交感神経系に対する作用:aFGFを脳室内に投与し、血漿中のコルチコステロン及びアドレナリンレベルを調べたところ、コルチコステロン及びアドレナリンのレベルは有意に増加することが判明した。抗CRF抗体を脳室内に前投与しておくと、この増加は消失した。したがって、aFGFはCRFを介して視床下部-下垂体-副腎皮質系を、また視床下部-副腎髄質系を活性化すると考えられる。3.aFGF及びそのフラグメントの免疫系に対する作用:マクロファージの貪食能に対するaFGF及びそのフラグメントの作用をフローサイトメトリで調べたところ、aFGFやaFGF(1-20)、aFGF(1-29)などのフラグメントがマクロファージの貪食能を用量依存性に活性化することが明らかになった。aFGFは脾臓支配交感神経の活動を上昇することから、脾臓のナチュラルキラー細胞の活性を低下させる作用ももつと考えられる。
ステータス終了
有効開始/終了日1997/01/011999/12/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥13,300,000

キーワード

  • 酸性線維芽細胞増殖因子
  • 学習・記憶
  • 内分泌
  • 免疫
  • 線維芽細胞増殖因子
  • 老化促進モデルマウス
  • アドレナリン
  • マクロファージ
  • コルチコステロン
  • 遺伝子
  • acidic fibroblast growth factor
  • learning and memory
  • endocrine system
  • immune system