急性膵炎に合併する多臓器不全の分子生化学的解明と遺伝子治療を含めた治療法の考案

  • 松田, 直之 (研究代表者)

プロジェクトの詳細

研究概要

本研究成果は,セルレインを用いた急性膵炎マウスモデルによる解析結果である。セルレインを反復投与する過程でPAR2の発現がさまざまな主要臓器で高まり,このシグナルにより,TLR2,TLR4,TLR9およびTNFR1などの炎症性受容体の発現が増加する。PAR2の細胞内シグナルとして転写因子NF-κBとAP-1が肺,心房筋,腎臓で活性化し,その結果として炎症性受容体の発現が亢進すると考えられた。急性膵炎では,このような炎症性受容体の発現が肺や心房筋や腎臓で高まる可能性があり,2次性侵害刺激として感染症に罹患した際には,主要臓器の炎症活性がより高められる可能性がある。このような観点より,転写因子NF-κBやAP-1に対する特異的遺伝子治療は,炎症を生じ始めた細胞に導入効率が高く,選択的に主要臓器細胞の炎症を抑制する可能性がある。急性膵炎病態を増悪させない治療として,転写因子NF-κBやAP-1に対する遺伝子治療が有効であると考えられた。
ステータス終了
有効開始/終了日2005/01/012006/12/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥3,600,000

キーワード

  • Toll-like受容体
  • TNF受容体
  • NF-κB
  • AP-1
  • PAR2
  • 遺伝子治療
  • 急性膵炎
  • NF-kB
  • activator protein-1
  • Toll-like receptor
  • THE receptor
  • gene therapy