プロジェクトの詳細
研究概要
TiO_2単層膜の可視光応答性を改善するために、WO_3膜を下地層とするTiO_2/WO_3二層膜を形成した。WO_3膜は高純度WターゲットをArとO_2の混合ガス中でスパッタすることで形成された。WO_3膜は基板を加熱しない状態で形成されるので、アモルファスに近い状態を示した。そこで、アニール処理を施した結果、XRDの測定から結晶性が著しく改善され、透過率の吸収端も可視光の長波長側にシフトし、AFMの観察からも、Rmsの値が大きくなり、表面微細構造も大きく変化した。アニール処理されたWO_3膜上にTiO_2膜をスパッタ法で形成させ、TiO_2/WO_3二層膜を作製した。人工太陽光を照射しながらTiO_2単層膜と同じ方法で17βエストラジオールの分解実験を行い、二層化が光活性に及ぼす影響を調べた。TiO_2/WO_3二層膜の方が、TiO_2単層膜の場合よりも、分解効率が向上し、共に、最初の量と6時間後のそれと比較すると、TiO_2/WO_3二層膜では約57%、TiO_2単層膜では約45%の量が分解された。このことにより、下地層のWO_3膜が太陽光中の可視光を有効に吸収しており、これによってTiO_2単層膜の光活性がより改善されることが明らかにされた。
ステータス | 終了 |
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有効開始/終了日 | 2006/01/01 → 2007/12/31 |
資金調達
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥3,990,000
キーワード
- 光触媒
- 二酸化チタン
- 三酸化タングステン
- 可視光
- スパッタ膜
- 環境ホルモン
- 17βエストラジオール
- HPLC
- Photocatalyst
- Titanium dioxide
- Tungsten trioxide
- Visible light
- Sputter film
- Environmental hormone
- 17β-estradiol