単球・マクロファージの川崎病への関与:ncRNAを視点とした発症機序の解明

プロジェクトの詳細

研究成果の概要

本研究の目的は、単球・マクロファージの異常な活性化が川崎病の原因であると仮定し、non coding RNA (ncRNA)の観点からこの仮定を実証し、臨床応用へと展開することである。結果、川崎病急性期血管炎において血管微小粒子は血管内皮障害のバイオマーカーとなり、 血管微小粒子に含まれるmicroRNAは炎症の調節に関与している可能性を報告した。また、川崎病に特異的なG0S2遺伝子とlong non-coding RNA (lncRNA) HSD11B1-AS1を発見し、これらが自然免疫を介し炎症性サイトカインの遺伝子発現を調整し、冠動脈病変において重要な役割を果たしていることを解明した

研究成果の学術的意義や社会的意義

川崎病は未だ原因不明であり、川崎病の治療戦略を立てる上で原因究明および新たなバイオマーカーの確立が喫緊の課題である。本研究を行うことで、川崎病の原因が単球・マクロファージであることを実証でき、川崎病の診断・治療のパラダイムシフトを起こすことが期待できる。川崎病急性期血管炎において血管微小粒子は血管内皮障害のバイオマーカーとなり、 血管微小粒子に含まれるmicroRNAは炎症の調節に関与している可能性を報告した。血管微小粒子は血管内皮障害や血管炎の重症度を反映し、冠動脈病変を予測する鋭敏なバイオマーカーであり、血管微小粒子内のIncRNAは、川崎病診断の新たなターゲットとなりうることを解明した。
ステータス終了
有効開始/終了日2018/04/012023/03/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥4,420,000

キーワード

  • 川崎病
  • 血管炎
  • 血管微小粒子
  • micro RNA
  • 単球
  • microRNA
  • 単球・マクロファージ
  • non coding RNA
  • バイオマーカー
  • 発症機序