野生型マウスにおいては、興奮性および抑制性の報酬予期応答が認められたが、D2R-KOマウスにおいては、抑制性の報酬予期応答が認められず、興奮性の報酬予期応答は逆に増加していた。また、場所特異的な応答を示す場所ニューロンがいずれの型のマウスにおいても認められたが、D2R-KOマウスにおいては迷路外の手掛かり刺激の配置の変化により高い感受性を示した。以上の結果から、i)空間および報酬に関する情報が扁桃体で統合され、扁桃体が場所の嗜好性やゴール指向性行動に重要な役割を果たしている、ii)これらの行動の制御に扁桃体におけるドパミン受容体が関わっていることなどが示唆された。