光学活性2H-クロメン三量体の合成研究

  • Yamaguchi, Seiji (研究代表者)

プロジェクトの詳細

研究概要

前年度に、2-メチル-2H-クロメン-2-酢酸エステルの酵素による不斉加水分解により得た(R)-カルボン酸体からのC6側鎖への変換に成功した。さらに、6位に側鎖導入したブタン酸体での分子内アシル化反応は望ましくないナフト[2,3-b]ピラン体が主生成物であった。そこで、ベンゼン環部にアミノ基を導入して配向性を変え、望ましい方向への閉環体を得たが、アミノ基の導入と除去に多段階を要し、分子内アシル化法を断念した。本年度、ナフト[2,1-b]ピラン体の新たな効果的合成法として、7-ヒドロキシテトラロン体のプロパギルエーテル体での熱環化による方法を開発し、目的の2位にC6側鎖を有するナフト[2,1-b]ピラン体の簡便な合成法を見出した。しかし、プロパギルエーテル体の生成段階においてラセミ化をともない、光学活性体を得ることは出来なかった。さらに、得られたラセミ体でのヒドロキシキノン体およびキノン体への変換について検討し、ラセミ体ではあるが天然のTeretifolione BおよびDeoxyteretifolione Bをへの効果的な変換に成功した。また、2位に長いC6側鎖をもたないジメチルナフト[2,1-b]ピラン体から対応するヒドロキシキノン体およびキノン体への変換を行い、さらに三量化にも成功した。現在、三量体での環結合軸周りの軸不斉異性体についての解析を進めている。残る光学活性体での合成については、すでにC6側鎖を有するナフト[2,1-b]ピラン体を含め、様々な側鎖部を有するナフト[2,1-b]ピラン体を熱環化反応により合成し、それぞれにおいて光学分割を検討している。
ステータス終了
有効開始/終了日1999/01/012000/12/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥1,400,000

キーワード

  • ピラノナフトキノン
  • 2H-クロメン
  • ナフトキノン
  • PYRANONAPHTHOQUINONES
  • 2H-CHROMENES
  • NAPHTHOQUINONES