プロジェクトの詳細
研究概要
酒石酸修飾担持Ni触媒を用いたアセト酢酸メチルのエナンチオ面区別水素化において,触媒調製法としてNiアセチルアセトナートを熱分解する方法を開発した.従来修飾担持Ni触媒では光学収率が約60%と低い値しか得られていなかったものが,この方法によると最高の光学収率が86%と飛躍的に向上した.種々の担体を検討した結果,住友化学化学工業製スミコランダム(結晶性の高いα-アルミナ)を用いたときに高い光学収率が得られることが明かとなった.担体の影響をさらに検討するため,種々の担体から調製した触媒のX線結晶回折による結晶子径の測定,透過型電子顕微鏡による観察を行った.その結果,約50nm程度のNi結晶子径を持つときに高い光学収率が得られることが明らかとなった.また,この結果を元に触媒水素化処理温度を500℃とすることにより,これまで60%程度の光学収率しか報告されていない含浸法により調製した担持触媒においても,80%以上の光学収率を得ることができるようになった.
ステータス | 終了 |
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有効開始/終了日 | 1997/01/01 → 1998/12/31 |
資金調達
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥3,200,000
キーワード
- 修飾金属触媒
- シンコニジン修飾パラジウム触媒
- 酒石酸修飾ニッケル触媒
- エナンチオ面区別水素化
- 担持触媒
- チグリン酸
- アセト酢酸メチル
- エナンチオ面区分水素化
- modified metal catalyst
- cinconidine modified Pd catalyst
- tartaric acid modified nickel catalyst
- enantio-differentiating hydrogenation
- supported catalyst
- tiglic acid
- methyl acetoacetate