本研究は生成文法という言語学の枠組みの下で英語における主語・助動詞倒置の仕組みを解明する。具体的な事例として否定倒置構文とWh疑問文を取り上げ、ラベル付けアルゴリズムという最先端の理論的道具立てを使ってこれらの構文における主語・助動詞倒置に真新しい原理立った説明を与える。さらに、最近はめっきり議論されていないYes/No疑問文や話題化構文についてもラベル付けの下で再検討を行ない、構文の垣根を越えたより一般性の高い分析を探究する。加えて、英語母語話者を対象とした文法性の調査やCOCAを使ったコーパス調査を実施することで、今まで注目されてこなかった詳細な言語事実を明らかにし経験的側面においても貢献したい。